僕が万年筆の良さを知ったのがプラチナのセンチュリーだとすれば万年筆の収集癖を植え付けたのがこの万年筆です。
購入してから他にもたくさんの万年筆を購入してしまいましたが今でも一番使用頻度が高くメインで使っている万年筆です。
これを買うときには正直だいぶ悩んで時間がかかって購入したのですがこれを買ってしまってから万年筆にお金を出すことに抵抗がなくなってしまいました。
罪づくりな万年筆です。
メーカー
ドイツ発祥の万年筆ブランドのペリカンです。
もともとインクメーカーだったらしいです。
歴史あるブランドでこの万年筆の緑縞のデザインも100年近くほぼそのままで来ているそうです。
万年筆のインクを吸い上げる構造はペリカンが作ったとか。(間違っていたらごめんなさい。)
歴史あるブランドである程度の値段もしますがモンブランよりは安いです。
吸引式万年筆
ペリカンの万年筆の特徴です。
他の一般的な万年筆と違い本体に直接インクを吸い上げて使用するのでカートリッジを使うことができません。
また吸引式の構造上素人には分解が難しいので放置してインクを乾かしたりしてしまうとメンテナンスが大変なのでこまめにメンテナンスする必要があります。
僕の場合基本的に万年筆はコンバータを使いたいタイプなので吸引式は特に苦にはなりません。
カートリッジは昔パーカーのソネットを買って貰ったときにほとんど使わないままに差し替えることを繰り返していたので少々トラウマ気味です・・・。
デザイン
正直これが一番この万年筆を気に入っている理由です。
日本の万年筆は値段が比較的安くペン先の品質の安定性も素晴らしいのですが正直なところどれも似たような見た目をしていて少々つまらないところがあります。
この点この万年筆は一目見ただけでペリカンとわかる見た目です。
緑縞は有名で他にないデザインですがブラックのスーベレーンも形そのものがモンブラン型とは違うので見ただけでペリカンとわかります。
またペン先の装飾も独特で丸みを帯びたペン先に親子のペリカンが書かれています。
キャップにも金色で同じ親子のペリカンのエンブレムがついています。
実はクリップもペリカンの顔とくちばしになっていたりとペリカン尽くしのこだわったデザインです。
字の太さ
一番細いEFですが舶来品だけあって日本の細字に比べると太いです。
以下はセンチュリーの記事でも乗せた写真です。
僕の場合家で勉強するときにも使っており数式を書いたりするときにも使いますが太すぎて困るといったことはありません。
これ以上細くなるとカリカリした書き味になってしまうので僕はこれぐらいでいいと思います。
個体差
ペリカンは舶来品なので日本製の万年筆と比べて品質が安定していないようです。
この万年筆はEFなので個体差が出にくく問題ないのですがこれがMやBになってくると書き出しがかすれるといった問題が起きることがあるそうです。
この辺りはペリカンの基準で問題にしていないそうで書き味がかすれるものでもちゃんと検品した商品の扱いなので交換対象になったりはしません。
そのうち紹介すると思いますが僕が他に持っているペリカンのMは書き出しのかすれが多くてペンクリニックで調整してもらったのですがその時に教えてもらいました。
気になる人はお店でいくつか書かせてもらって気に入ったものを選ぶしかないです。
この辺りは何度も紙からペン先を離す漢字文化の日本人と筆記体などで続けて書くことに慣れているアルファベット圏の人間の感性の違いでしょう。
インク
インクは特にひねりもなくペリカンの普通のボトルインクのブラックを使っています。
エーデルシュタインのオニキスも試そうかとは思ったのですが使用頻度が高い分インクの減りも早いため値段が安い普通の黒インクになりました。
まあ激しいときには数日に一回の割合で吸引するので高いインクは使ってられませんね。
後日記事にしますがペリカンのブラックインクは耐水性が残念なので郵便物などには雨が怖くて使えませんね。
大きさ
普段使いには最適な大きさではないでしょうか?
M400は男の手には少し小さい気がしますしM800は重心が後ろにあるのもあってゆったりと書くのにはいいのですがペンを立て気味に細かい字を早く書いたりするのには向いてない気がします。
不満点
不満というか少し気になるのが首軸の先に金のリングがついていることです。
ここについているせいでインクを吸入した後は必然的にこのリングの部分がインクまみれになるのでインク吸入後は気を使ってふき取っています。
吸引式である関係上このリングが上に移動してくれればもう少し気軽に使えるのにという気持ちはあります。
おかげでペリカンのブルーブラックのインクを持ってはいるのですが怖くて使っていません。(ペリカンのブルーブラックは古典インクなので酸性が強いので)
僕は個人的にブルーブラックの色が好きで使いたくはあるのですが怖くて使えていない状態です。
メンテナンス
僕は数か月に一回水をためた小さなコップなどを用意してその中の水を吸引機構で吸い上げては吐き出しを繰り返して洗浄しています。
軸の部分ですが水に長時間付けるのがよろしくないそうでまた高温にも弱いためこのような洗浄方法を選んでいます。
僕の場合乾燥はあまり気にしませんが基本的にキャップを外した状態で丸一日放置して乾燥させるようにはしています。(すぐに使う場合は気にせずインクを入れます。)
購入先
僕はAmazonで購入しました。
先ほども書きましたがペリカンは海外メーカーの万年筆のため日本製の万年筆に比べて個体差が激しいです。
この個体差はペン先が太くなれば太くなるほど大きくなるようなので太めを購入する人は注意が必要です。
僕の場合別のペリカンですがMを買ったとき書き始めにインクが出ないことがしょっちゅうで困りました。
この点試し書きのできないネットショップは博打になってしまうところがあるので気になる人は店舗で存分に試し書きしてから買ってください。
ただ実店舗との値段差が大きいので賭けに走りたくなる気持ちもわかります。
僕の場合実店舗で試し書きできる魅力があるとは言っても一万円以上差が開けば迷わずネットショップで購入して最悪ペンクリニックに持ち込んで何とかしてもらいます。