パイロットのiroshizukuシリーズやペリカンのエーデルシュタインなどいろいろと面白いインクがあるのも万年筆の楽しみの一つです。しかしながらやっぱり一番使う頻度が多いのは黒インクではないでしょうか。
今回は手持ちの黒インクの耐水性を比べてみました。
ブラックインク紹介
パイロット ブラックインク
一般的なパイロットブラックインクです。このインク瓶は少し値段が高くはありますがひっくり返すことで瓶の中心にインクがたまる仕組みになっておりインクがなくなってきてからもストレスなくインクの吸引ができます。
初めにこのタイプを買っておいてヘビーユーザーなら大瓶タイプを買って詰め替えて使えばいいと思います。僕は日常で使うパイロット製の万年筆にはこのインクを入れています。
ペリカン 4001 ブラック
ペリカンの一般的なボトルインクです。ペリカンのインクは舶来品であるにも関わらずかなり安価なのが特徴です。
国産のインクと比べても同じぐらいか安いくらいです。僕はこのインクをスーベレーンM600 に入れて使っています。
ペリカンの万年筆を純正インクで使う場合コスパを求めるならこのインクを使いましょう。
セーラー 極黒
セーラーも様々なインクを出していますがこのインクは他の手持ちのブラックインクと違って顔料インクです。このインクはセーラーが出している目詰まりしにくいとされているインクです。
個人的に使い勝手がよく気に入っているのですが他のブランドの万年筆で使うのはためらいがあります。なのでいまはセーラー製万年筆専用にしています。
こちらも上で紹介したパイロットのインク同様ひっくり返せば真ん中にインクをためられるのでインクが減ってきてからも簡単に吸引することができます。
パイロット 色彩雫 竹炭
パイロットが出している色彩雫シリーズの一つの竹炭です。パイロット製の万年筆で使用しています。使用している万年筆の字幅がBなので太めになっています。
書いているとところどころ薄くなり灰色が買った色で墨汁で書いたような文字になります。
書いた直後の様子
大体こんな感じです。それぞれのメーカーの純正の万年筆で書いています。
上からパイロットのF ペリカンのEF セーラーのM パイロットのB で書いているのですが気持ちセーラーの万年筆が細めになっています。
スキャナーの精度がそんなに良くないので色はほぼ同じに見えますが微妙に色の違いがあります。
水道の水を10秒ほど当ててみた後
紙の表面を水で10秒程度流した後乾かしたものです。見てわかるようにペリカンのインクが一番流れてしまっているのがわかると思います。
セーラーの字の真ん中の部分は乾く前に上に擦ってしまったのでこのようになっていますが全く問題なく読めるのがわかると思います。意外だったのは一番弱いと思っていた色彩雫の竹炭がペリカンよりは濃く残っていたことです。
そしてそれ以上に驚くのがパイロットのインクの耐水性です。一般的な価格帯のインクで顔料インクでもないにも関わらず字がはっきり読めるほど残っています。
インクのにじみもスキャンの感度のせいで大きくにじんでいるように見えますが滲みも気にならないレベルです。この辺りは肉眼で見るのと差が出てしまっているのである程度高画質のカメラを手に入れ次第もう一度比較写真を用意したいと思います。
結論
パイロットのインクが以外にも持つことが分かったので郵便物等に書くのにパイロットの一般的なブラックインクを使っても問題ないでしょう。大瓶もあるのでよく使う人にはコストパフォーマンスも優れています。
セーラーの極黒はさすがの結果でにじみこそしますが字が薄くなっているところはほぼなかったので郵便物が雨でぬれてしまっても読めなくなるということは無いと思います。
パイロットの色彩雫はある程度薄くなってしまっているので雨に濡れる可能性のある郵便物に使うのはあまりお勧めできません。
ダメダメなのがペリカンのブラックインクで少し水が当たった瞬間に一瞬で薄くなってしまいました。少しでもぬれる可能性のある物には使わない方がいいと思います。
僕は普段メモ書きや計算など自分しか見ないものにしか使っていなかったのですがこれからもそうした方がよさそうです。
同じインクで耐光性の実験もしているので一か月程度日光に当ててから結果をまとめてみたいと思います。
追記(上記のインクの耐光性について
上記のインクの耐光性を同様に調べました。同じように紙に書いて西日が差し込む窓のところに外向けに置いておいてインクの色の変化を調べました。
が写真を撮るときにコップをひっくり返すという間抜けな行為の結果写真は撮れませんでした。ゴメンナサイ。
幸いにして紙の半分程度しか濡れなかったので無事なところの文字の色とつい先ほど書いた文字の色の違いを書いておこうと思います。放置した期間は6/2~7-15の一月半弱です。
- パイロットブラックインク こげ茶色に変化
- ペリカンインク パイロットのインクほど変化はないですが微かに茶色に変化
- セーラー極黒 変化なし
- 色彩雫 竹炭 茶色に変化
セーラー極黒はさすがですね耐水性耐光性兼ね備えています。
パイロットのブラックインクはこげ茶色に変化しました。紙の裏から光に透かして文字をみればはっきりと茶色であることが見てわかる変化です。
ペリカンのブラックインクは意外なことにほぼ変化なし。水にぬれない環境で文字を長期保存したいときならある程度使えるかもしれません。
最後に色彩雫の竹炭ですがもともとの色の薄さもあってはっきりとわかる茶色に変化しました。書いてすぐの色の変化は楽しめますが実用性は乏しいインクかもしれませんね。
ちなみに日図家を書いていた赤インクのボールペンの色が一番薄くなってしまっていました。その辺に転がっていた適当なボールペンで書いたのですがダメダメでした。
以上写真も残せないというあれな結果になりましたがこんな感じになりました。プラチナのカートリッジインクのブラックも手に入れたのでそのうちそれ込みで検証をやり直すかもしれません。
プラチナのカートリッジインクも加えて時間を置いた場合の耐水性も検証してみました。
プラチナのカートリッジインクも加えて書いてから時間を置いた場合の耐水性を実験してみました。