万年筆は高い高価な趣味の道具だと思っている人も多いと思います。そんな中万年筆「#センチュリー3776」などを出している日本の文房具メーカープラチナ万年筆がボールペン感覚で買える200円という驚きの価格で万年筆を販売しています。
今日はそんな万年筆Preppyを紹介したいと思います。万年筆コレクションのナンバーを振るか迷ったのですがさすがにコレクションに加えると浮くなと思ったので番外にしました。
メーカーは?
万年筆販売に力を入れているので有名な文具メーカープラチナ万年筆です。僕が初めて買った万年筆センチュリーを販売しているメーカーですね。
昔からある万年筆メーカーなので様々な万年筆が発売されてきました。その中でもこのプレピーはパイロットのカクノなどよりも安いので入門編としてはとてもおすすめできるでしょう。
スナップ式
万年筆を使う上でネックになるインクの渇きをできるだけ抑える機構が備わっています。センチュリーなどに搭載されているスリップシール機構はこの機構ができた後に開発されたようですね。
万年筆をつかうのが嫌になるきっかけになるインクの渇きがかなり改善されているようなので長く使わない可能性のある初心者にもおすすめできます。パーカーも見習ってくれれば長年万年筆から離れなくて済んだと思うのでパーカーも見習って欲しいですね。
商品本体
今回は三本セットを購入したので写真のような感じで入っています。
こうしてみると本当にボールペンみたいですね。ペン一本取りだすとこんな感じです。
売っている状態ではインクの渇きをできるだけ抑えるためにカートリッジインクは差し込まれていない状態です。中身はセンチュリーなどでも使うインクと同じもののようですね。
こんな感じで浮いて入っています。
書くためにインクを差し込んでみます。
インクがペン先まで届くのに少し時間がかかるので差し込み終わったらしっかりとキャップを閉めてインクがペン先まで届くまで待ちます。
ペン先
プラチナ万年筆の特徴のPの文字がしっかり入っています。
材質はスチールでしょうか?あるいは何らかの合金でしょう。
同社の売れ筋の万年筆センチュリーとのペン先の比較です。全体的に小ぶりではありますがPのデザインは同じですね。
比べればわかりますがプレピーのペン先にはハート穴が開いていません。本来穴が開くところは模様のように丸が彫り込んでいるだけです。
写真を撮り忘れましたが本体の長さは同じぐらいですね。
書き味
これから各感想はあくまで他のメーカーを含めたある程度高価な万年筆を使い慣れた上での感想です。始めてこの万年筆を手にした場合は違った印象を受けるかもしれません。
全体的な感想としては書き味的な意味でもボールペン感覚に使えるなといった印象です。ボールペン感覚というよりはボールペンを使ってきたユーザーが違和感なく使えるような設計になっています。
まずペン先の柔らかさですがハート穴が開いていないこともあり少々硬めの印象を受けます。ペン本体の重量が軽いこともあり少し筆圧をかけ気味にして書かないとかすれます。
他の金のペン先の万年筆の感覚で軽い筆圧で書こうとするとところどころかすれてイライラさせられます。ボールペンより少し軽めぐらいの筆圧がベストでしょうか?
筆記角度も少し立て気味にして書くように調整されているようです。高価な万年筆のように寝かして書くと筆圧がかかりにくいこともあり同様にカスレが生じます。
しかしながらうまく合う筆圧を見つけて書くとかすれが生じることなくかけますし相応の筆圧を書ければ文字の太さにも多少の変化が出るのでこの辺りの万年筆の醍醐味も簡単に味わうことができます。
コンバーター
商品的には使えないということになっていますが調べてみると一応コンバーターも差すことはできます。まぁプラチナのカートリッジインクが使える時点で口は同じなので使える可能性は高いのですが。
写真はプラチナのコンバーターを差してみた状態です。
シッカリと入るのでインクを正しく入れれば隙間から漏れることは無いでしょうか?プレピーの安いプラスチックの質感にコンバーターの金色が浮いていますね。
ペン芯が長いのでコンバーターを差した状態ではスポイドを下まで下せないようですね。差せたからといってプレピーは吸入を前提に作られていないので無理にコンバーターで吸入すると後々インク漏れなどに見舞われる危険性があります。もちろん漏れ覚悟で吸引すれば書くことはできると思いますよ。
もしコンバーターをつかって別のインクを楽しみたい場合はコンバーターにあらかじめインクを入れた状態で差し込むのがいいでしょう。インクの色変えは出来ないと書かれていますがこれは初心者がちゃんと洗浄しないままインクを替えてインクが固まって詰まらせるのを防ぐためですね。
万年筆のインクは同社のものでも色が違うと成分も異なるので違うインクを混ぜると組み合わせによっては化学反応で沈殿が生じたりして万年筆の中で詰まってしまい書けなくなることがあります。なので買いたての状態でべつのインクを使うのは問題ないですよ。
とはいえ僕が持っているインクは別の万年筆で使っていて使えていない色は無いですし古典インクなどを入れてペン先が痛むのもあれだと思うので今回は付属のカートリッジインクを使います。別のインク瓶のインクを使いたいなら素直にセンチュリーなどを買った方が無難です。
ペリカンのブルーブラックだけ使わずに放置してしまっているんですよね。初めてスーベレンを買ったときに一緒に買ったのですが古典インクのデメリットなどを読んでいるうちに使う気が起きなくなってそのまま使用せず置いてしまっています。
手ごろな価格の適当な万年筆を購入して使いたいところです。かと言って鉄ペンにつかうのもなーといった感じで悩みどころです。
ちなみに1000円で買えるプレジールもコンバーターには対応していません。使いたければセンチュリーなどを購入するのが無難でしょう。
まとめ
200円で買えると思えないほど優秀な万年筆です。作りもしっかりしていますしある程度筆圧をかけて書けばカスレが生じることもなく滑らかな書き味です。
ただいったように筆記角度や筆圧がボールペン寄りになっているので万年筆を使うのに慣れた柔らかいペン先に慣れた人がつかうと慣れるまではかすれることもあるでしょう。引っ掛かりはありませんが滑らかさも高価なモデルと比べると当然劣ります。
個人的に困ったのは高価な万年筆の感覚でキャップを回して取ろうとしてしまうので頻繁に本体を外してしまうことですね。別にこの万年筆が悪いわけではないですがなれの問題です。実際センチュリーを使い始めたころは回転式のキャップなのに抜き取ろうとしていた記憶がありますから。
まぁ200円と一万円以上ですから当たり前ですね。しかしながら200円という価格で買えるのでいろいろな色を気軽にそろえることができますし色ペン感覚でつかえるので簡単に使うのにはもちろんおすすめです。
高価な万年筆を使って強すぎる筆圧でペン先を壊したくないと思う人が万年筆にふさわしい筆圧に落としていく練習用としても使えると思います。コストパフォーマンスとしてはとても高いと言えるでしょう。
気になる人は一本で買うのもいいですが複数入りのものを買っていろいろな色を試してみてはいかがでしょうか?たくさんの色を万年筆で使い分けるというのは高価な万年筆ではやりにくい楽しみ方です。せっかくなのでこの安さを生かして楽しみましょう。
ちなみに僕の選んだプレピーは03の細字ですがあくまで万年筆の中の細字です。ボールペンなどに慣れた人にはこれでも少し太く感じると思うので初めて買うときは細字を選んで置いた方が言いと思いますよ。