今日は少し前までのパイロットカスタムシリーズ最高グレードカスタム845を紹介します。
本体が漆塗りという特徴を持った高級万年筆ですが素晴らしい書き味も兼ね備えています。
大きさや外観
大きさそのものはほとんどカスタム743と同じぐらいです。
他のカスタムシリーズとの外観の違いとしては他のカスタムシリーズが両端が丸まっている葉巻型なのに対して両端が角ばっているものになっています。
その他の外見の差はほとんどありません。
ペン先の大きさや装飾
カスタム743同じ15号ニブで大きさそのものは変わりません。
違いとしてはペン先の装飾でシンプルな金色のままのカスタム743と違い銀色が入っています。同じデザインでも銀と金のバイカラーとなることで雰囲気が大きく変わるのがわかると思います。
カスタム845のペン先の特徴
見た目はほとんど同じですが他のカスタムシリーズが14金でできているのに対してカスタム845は18金でできています。
金の含有量が上がることで少し柔らかくなっているのでその分書き味に少し変化があるかもしれません。しかし柔らかさは素材でも変わりますが形状で変わる影響が大きいので柔らかいニブが欲しくて選ぶのには向かないと思います。
本体の特徴
カスタム845の最大の特徴は本体素材にあります。
カスタム743などが普通の樹脂製なのに対して本体はエボナイト製という特徴があります。独特のさわり心地が楽しめます。
またカスタム845はエボナイトに漆塗りの加工をしており所有する喜びが得られるでしょう。
ただ特別な素材な分樹脂製の万年筆よりもデリケートな面もあるので手入れが面倒な人には少し向かないかもしれません。
キャップの裏側の工夫
キャップの内側には漆塗りの本体を気づ付けないようにフェルトのような柔らかい素材が取り付けられています。
この工夫があるのでキャップを後ろに差し込む場合もためらうことなく差すことができます。
特別なCon70が付属する
他のカスタムシリーズでも二万円以上のモデルであればデフォルトでコンバーターが付属していますがこのカスタム845には特別なカラーのコンバーターが付属しています。
見てのように黒いコンバーターが付属します。
機能自体は普通のCon70と違いはありませんが見た目の高級感があるので小さなことですがうれしくなります。
書き味の特徴
買ってすぐの初めて書いたときからなめらかでぴたりと吸い付くような素晴らしい書き味を楽しむことができました。
パイロットの万年筆は全体的に買った瞬間からある程度安定した書き味があることが多いのですがこの商品はよりしっかりとペン先を調節してあるようで初めから文句のない書き味を楽しむことができました。
書き味そのものは本当に素晴らしいのでとにかく書き心地のいい万年筆が欲しい人には強くお勧めすることができるとおもいます。
書いた感じと書き味の感想
先ほども書きましたが初めからとてもなめらかで素晴らしい書き味を楽しむことができます。
太字ですがかすれが起こることもなくストレスなく書くのが楽しくなります。
僕の場合は太字のBを選んだので基本的にはあて名書きなどに使うことが多いです。
あて名書きなどに使用することが多い場合は耐水性も有って値段も安いパイロットの普通のブラックインクを購入することをおすすめします。
まとめ
エボナイト製の万年筆は総じて高価な傾向がありますがこのカスタム845は見た目の高級感もありますし素晴らしい書き味を楽しむことができるので本当におすすめできる万年筆です。
もちろん価格も相応にしてしまいますが本体がエボナイトに漆塗りであるだけではなく最高の書き心地のニブも一緒についてくるので万年筆が好きな人であれば購入しても損はないと思います。
購入先としてはAmazonなどのネット販売で購入するとかなり安く購入することができるのでおすすめですが高い買い物であるので定価で買うことになっても店舗で試し書きをしたうえで納得して購入するのもアリかもしれません。
現在はさらに大型の本体に30号ニブという特大ニブが付いたカスタムURUSHIという万年筆も登場しているのでいつか手に入れてみたいですね。もちろん値段も大変なことになっていますが気になる人は一度調べてみてください。
金の含有量が多くなると軟かくなるという予測は正しいのですが、
すこし例外があり、
おそらく、14K金合金よりも18K金合金の方が硬いと思われます。
金合金の物理性質は、軟かい←21K、14K、18K→硬い のような順になると思います。
18K金合金というのは金合金の中で特異的に耐蝕性と物理的性質の両方が素晴らしくどちらも均衡して高い水準にある一種の黄金比率からなる金合金です。
その為、装飾品などは殆ど18Kなのです。
もちろん、18K未満以上の金を含有する金合金に耐蝕性は劣りますが、劇薬や特殊な環境に曝されない限り腐食しませんし、それでいて機械的性質に優れます。
記事の中でい仰られている通り、含有量14Kと18Kの差異が書き味にもたらす体感的な相違はほとんどないのはその通りだと思います。
書き味書き心地を決定する大部分はニブの形態形状によるものと思います。
もちろんステンレス鋼ニブと金合金ニブと比べた場合は材質の相違が明瞭に書き心地に現れるはずですが。
なぜ、18Kが硬いのか(物理的性質に優れるか)は、合金の比率によります。
18Kの重量割合は、(金:銅を主に銀等=75:25)です。
この比率で金合金を作ると硬くなる理由は、金と銅の合金で説明しますと、
金銅金銅金銅金銅という形で、金原子と銅原子が隣り合い金属転移が起こりにくいからです。
銅をテニスボールに見立て、
金をゴルフボールに見立て、それらをよく混ぜて並べると
球の直径が異なるので銅凸、金凹となり、凸凹凸凹凸凹凸凹となります。
18K合金を、凸凹凸凹凸凹凸凹の凸凹同士が噛み合った個体物質と考えてみてください、それは
凸凸凹凸凸凹凸凸(銅が多い14金)=凸が多いもの同士が噛み合う個体とか
凹凹凸凹凹凸凹凹(金が多い21金)=凹が多い成分同士が噛み合って出来上がる個体よりも
噛み合いが多いのでずれ難い(強い)ですよね。
凸凸凸凸凸凸凸凸(純銅)エアコンの軟かい配管などで身近です、とても軟かいですよね。
凹凹凹凹凹凹凹凹(純金)銅より微かに軟かい程度で銅とだいたい同じ程度の軟らかさ(とても軟かいです)。
これらを混ぜ合わせると凸凹凸凹凸凹凸凹となりカチカチになります18金は純銅より圧倒的に硬く金より圧倒的に硬いです。
均一な凸凹になる理想的な重量比が金75%銅25%です。
Pilot金合金には金と銅のほかに銀も含まれます。
純銀は金と銅の中間くらいの硬さ、つまり軟かいです、これも金に銅を混ぜると硬くなるのと同じに、
金銀合金は銀より硬くなるという形になります。
これが、21金が軟かく、次いで14金が軟かく、それらよりも18金が硬いであろうという理屈になります。
乱暴な説明ですか、大体このような理由で18k金合金は転移が起こりにくい性質理由であり、
機械的性質に優れる所以です。
誤字がありました、「転移」は誤りで、「転位」です。
その他にも、少しおかしな部分がありますが、意訳してくだされば幸いです。
そしてやや誤りもあるかもしれません(現在からだいぶ昔に歯科理工学の学説として教わった内容であり失念が酷いためです;)が、大まかにこんな仕組みと考えて間違いないです。
私もPilotの金ペンを長年愛用しておりPilot万年筆好きです。
私にとってもこのサイトは有用であり参考にさせていただいております。
非常に興味深い情報ありがとうございます。
金の含有率が下がるほど硬さが増すと考えていたので驚きました。
いろいろと調べてみたのですがパイロットのホームページでは以下のように書かれていました。
エラボーのペン先ができるまで |エラボー誕生秘話 | 特集記事一覧 | PILOT LIBRARY | PILOT
硬さとしなやかさが増すといういまいちよくわからない説明ではありますがまあ一般向けかつ販促用の説明なので適当なのかもしれません。
僕自身理系なので気になっていろいろと調べてみたのですがこの理論が書かれているものを見つけられませんでした。もしわかりやすい本や論文等をご存知でしたら教えて頂ければ幸いです。