本格的な万年筆を買おうと思った人が初めに手にすることが多いと思われる万年筆です。カスタム74の特徴としてはこの価格帯の万年筆としては珍しく9種類の万年筆から選べることです。

とは言ってもうち六種類はペン先の細さで残りの三種類が僕のカスタム74についているニブのソフトタイプのニブです。細さは他のメーカーでも豊富に選べる場合もありますが特殊なペン先といえるソフトタイプがこの値段から体験できるのは大きな特徴だと思います。

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メーカー

僕にとってはおなじみのパイロットです。パイロットは多くの万年筆を発売しているのでおためしで買うのにも向いています。

それと個人的な感想としてはどのペン先を選んでもまたこの万年筆以上のすべてのモデルに言えることですがパイロットの万年筆は買った時からなめらかな書き味を楽しむことができます。ペリカンなどがなじむまで時間がかかることはもちろんとして他の日本のメーカーと比べても滑らかで初めから書きやすい気がします。

いいことですがペン先が自分に馴染んできたなという実感が薄くなってしまうのでそんな実感を楽しみたい人は向いていないかもしれません。

ある程度の本格的な万年筆としてはこれが一番安いランクではありますが1000円で買えるカクノや3000円のコクーンやプレラ、5000円のセレモ、ルシーナ、カヴァリエ等とモット安いモデルもあるので初めて万年筆に触ってみたいという人にもとてもおすすめです。

ペン先が14金と金ペンの書き味を試せるのはこのモデルからになるので金ペンの書き心地を試したい人にもこの万年筆をおすすめします。

デザイン

一般的な万年筆の形である丸みを帯びた黒のボディーです。この万年筆の外見的な特徴としては二つほどあります。

まずはパイロットのカスタムシリーズすべてに共通するキャップのクリップの先についている球体です。

これはパイロットのカスタムシリーズすべてに共通してついておりこのクリップと球体の組み合わせはカスタムシリーズの顔といえます。

ボディの特徴としては他の同価格帯の万年筆や多くの万年筆がそうであるように真ん中に向かって太くなることなくほぼ同じ太さのため比較的細いことがあります。

キャップを後ろにつけると比較的長くなることも合わせるとこの細さが好きという人もいればもう少し太い方がいいと感じる人もいるでしょう。個人的にはたまには細いのもいいよねといった感じですが一本だけ持つといった場合は好き嫌いが分かれるところかもしれません。

大きさ

日本のメーカー三社の一万円に設定されている万年筆三本を比較してみます。セーラーのプロフィットスタンダード21は高いですが外見は同価格帯のプロフィットスタンダードと同じなので比較の為に使います。

キャップを閉めた長さは見ての通り三本ともほぼ同じです。しかしながらキャップを後ろに差した長さを比較するとその長さに違いが現れます。

上からプロフィットスタンダード21、センチュリー、カスタム74となっていますが観ての通りカスタム74が一番長くなります。写真が雑なのはインクが乾くのが嫌で慌てていたので許してください。

写真ではわかりにくいかもしれませんが他と比べて長いわりに持つところが細くなっているのがわかると思います。この辺りの持った時の感覚は実際に使ってみないとわからないので気になるなら店頭で試してみるのもいいでしょう。

ペン先

14金のペン先です。上の写真で見てもわかると思いますが比較的小ぶりのペン先です。というよりはこの値段のわりにセンチュリーのペン先が大きすぎるとも言えます。

パイロットのペン先比較です。これは5号のペン先なのでパイロットの万年筆のペン先としては一番小ぶりなものになります。

書き味

フォルカンとは柔らかさの方向性が違いますがこれもとても柔らかくて強弱のつけやすいペン先です。純粋に日本語の漢字などを強弱をつけて書きたい場合はこちらの方が向いているかもしれません。

またこのペン先はSMでソフトシリーズの中では一番太いものになりますが細いものになればなるほどその太さの幅は小さくなっていくのでよりその太さの差を楽しみたい人はSMを選んでおくといいでしょう。

実際にいろいろ書きなぐったものです。すべて同一のペン先で書いたものです。

見ての通り筆圧に合わせてその太さが大きく変化しているのがわかると思います。

インク

色彩雫の松露を使用しています。この前インク吸入の記事で吸入したものです。

このインクは書いてすぐやインク瓶の中では濃紺に近い青色なのですが書いてから時間がたつにつれて青みが買った濃い緑色に変化していくとても美しいインクです。

不満点

個人的には不満点はないです。ただこのペン先でカスタム74を選んでしまうと長時間の筆記には少し向かないのかなと思います。

手の大きさにもよりますが細いので太い万年筆に比べるとどっしりと持てないということもありますしペン先が柔らかい分多くの文字を書きなぐるような場面では手に疲れがたまるような気がします。

計算や雑な字をたくさん書く場合などは普通の硬さの少し細めのペン先が一番楽なのかなというのが個人的な感想です。

もちろん手紙を書いたり短い文章をゆっくりと時間をかけてきれいな字で書きたいときなどはとてもいい万年筆だと思いますよ。

購入先

いつものようにAmazonです。

定価との差は3000円近いので定価で買うのとは結構な差がありますね。高い物での三千円は我慢できても一万円の中の三千円なかなか大きく感じてしまうと思うので安く買いたい場合はネットで買うのが一番でしょう。

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