このページを開いた人は多かれ少なかれ万年筆に興味を持っている人だと思います。僕のように万年筆の魅力にやられてしまった人もいればまだ気になっている程度の人もいるかもしれません。

万年筆は集めだすとあれもこれも欲しくなってしまう恐ろしい魔力があり手に入れるうちにどんどんと興味が湧いて自分に合うものを探していくことになると思います。

しかしながら初めての一本や初めて買った万年筆が気に入ったけど二本目どうしようという場合は少し悩むかもしれません。今回はそんな悩みの答えの一つとなるようにおすすめの万年筆を紹介したいと思います。

僕も魅力を知ってからそう間もないので隠れたおすすめなどは紹介できませんがとりあえず知っている範囲でおすすめの万年筆を紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク



初めてのペン先の選び方!!

個人的なおすすめですが外国産の万年筆であればEFあるいはF、国産の万年筆であればFあるいはMがおすすめです。

基準となる太さはメーカーや個体差によっても微妙に変化しますが基本的に同じ太さの商品を比較した場合国産の万年筆の方が外国産の万年筆に比べて細くなっています。

太さ比較

上記の写真が手持ちの万年筆の太さの比較になります。見ての通りペリカンのEFはパイロットのFと同じぐらい太いです。

もちろん使用するインクや用紙、ペン先の硬さによっても書いてみた時の太さは変わるので一概には言えないですが外国産は国産よりも最低一つ分太いと考えておけばよさそうです。

プラチナの超極細字とシャープペンシルの0.5の比較では超極細字野方がわずかに細いです。これだけ細いので細かいメモを取るときや繊細な線を引くのには非常に便利でいいのですが細すぎるためどうしてもカリカリと引っかかるような書き味になってしまい万年筆特有の滑るような筆記感はあまり味わえません。

なので実用性の一本としてはお勧めできますが万年筆だけの魅力を知りたいという意味では初めの一本に選ぶのにはお勧めできないペン先です。

購入する万年筆のランクにもよりますが細字以上であればある程度万年筆でしかない筆記感を堪能できるので初めの一本はそのあたりがいいと思います。

注意すべきは初めの一本に柔らかめの特殊ペン先を選んではいけないということです。

芯と紙の摩擦で芯を削りながら筆記するシャープペンシルや鉛筆、ペン先のボールを転がすことによってインクをだすボールペンと比べて万年筆はペン先が紙に触れるだけで文字を書いていける筆記用具です。

なので万年筆とその他のペンでは想定される筆圧が異なりボールペンやシャープペンシルに慣れている人が初めて万年筆を使うと筆圧が過剰になってしまうことがおおいです。

普通のペン先ですと少々筆圧が強くてもそこまでペン先にダメージがいかないですが(それでも強すぎるとよくないですが)これが柔らかめの特殊ペン先ですと瞬く間にペン先を壊してしまいかすれが生じるなんて問題も発生してしまいます。

これらに当てはまるペン先の例でいうとパイロットのフォルカンやソフトミディアムなどのペン先ですね。金は鉄などよりも柔らかいので強い筆圧を書けると曲がってしまって戻らなくなってしまいます。

筆圧が強すぎてペン先を痛めてしまった例としてはAmazonのパイロットカスタムヘリテイジ912のフォルカンがわかりやすいです。Youtubeなどにあるとある動画の影響でこのペン先を求める人が多くいるのですが動画の使い方だと筆圧をかけすぎなのでメンテナンスをしないと書けなくなってしまいます。

気になる人はAmazonのレビューを確認してみてください。

とりあえずお金をかけずに万年筆の書き味を体験してみたい人にお勧め

ここでは千円程度で買える日本製の安価な万年筆を紹介します。安いので合わないときに損をしたくない人はこの辺りから使ってみるのもいいと思います。

プラチナ プレピー
特徴はとにかく安いことです。一本200円で購入することができる万年筆でありながら高い万年筆で使うものと同じカートリッジインクが使えるのも魅力です。

またペン先にハート穴が開いていないこともありペン先の硬さはかなり硬めなのでボールペンやシャープペンシルに慣れている人の筆圧でも問題なさそうです。

まさにボールペンと万年筆の橋渡しの役目の万年筆といえるのではないでしょうか?

ただしレビューなどを確認したところペン先にはあまり耐久性が内容で使っているうちに書き味はどんどんと衰えてくるようです。まあこの値段ですし付属カートリッジを使い終わったら廃棄するつもりで使うつもりの設計でしょうから仕方がないでしょう。

一応僕も購入してみましたが初めの書き味はそこそこといった感じでした。とにかく安く万年筆の書き味をさわりだけでも体験したいという人はこの商品をおすすめします。

簡単な使用レビューは以下も参考にしてください。

1000円程度の各社の万年筆一覧

日本の3メーカー各社が出している1000円万年筆をまとめておきます。入門編としてはこの辺りが一般的に考えられているのではないでしょうか?

・パイロット カクノ

・セーラー万年筆 ハイエースネオ

プラチナ万年筆プレジール

以上3メーカーの販売している入門用万年筆です。プレピーと比べると少々本格的になっており実用品としても十分使えるでしょう。

上記の万年筆のうちプレジールはカートリッジインク専用の構造になっているのでカラフルなインクを入れてみたい人はカクノかハイエースネオのどちらかが選択肢になります。

プレピーもそうですがコンバーター非対応の万年筆でインクを吸い上げるとインク漏れの恐れもあるのでやらないようにしましょう。

安い価格で外国製の万年筆を試してみたい人はペリカンの販売している万年筆ペリカーノJrがあります。向こうの子供たちが万年筆に慣れるための商品ですが商品もしっかりしていますし大人が初めての万年筆に慣れるために使うことも可能です。

ペリカン ペリカーノJr

少し本格的な万年筆を試してみたい人は鉄ペンの中価格帯を選びましょう

見た目も少し本格的でまたある程度長い期間使い続けたいと思う人は数千円の万年筆を選びましょう。高価な万年筆はたいていペン先が金でできていますがそれに比べてこの価格帯のペン先はスチールや合金などの金属でできています。

それもあって安いのですがずっと使い続けたい場合や本格的な万年筆を使いたい人以外はこの辺りでも十分万年筆の醍醐味を堪能できると思います。

3000円程度の万年筆

・パイロット コクーン

・パイロット プレラ

・セーラー万年筆 レクル

プラチナ万年筆 バランス

大体この辺りになります。1000円に比べると見た目も少しそれらしくなってくる感じでしょうか?

入門編として購入し、後々大事にしない雑に扱える万年筆として使うのもいいかもしれません。雑というのはあえていい加減に使うということではなく他の筆記具と同じペンケースに入れるなど高価な万年筆ではためらわれるが実用性の高い使い方ができます。

5000円程度の万年筆

この辺りから本格的な万年筆といえます。金のペン先ではないというだけで見た目もある程度しっかりとした万年筆になります。

この辺りからは各社本格的に力を入れて製品を出しており数も多くなってくるので何がいいとは決めにくく個人個人の好みでも分かれてくる価格帯といえます。

個人的には少々価格的に中途半端なところがあり初心者が買うには少し向かないという印象です。

しかしながら一部のモデルはインターネット上では大幅に安く買えることもありそのようなモデルを選ぶ場合はこの価格帯もおすすめです。

・パイロット ルシーナ

クリップの形もカスタムシリーズに似ておりペン先も装飾ありで金色にしているなど見た目は本格的な高級感を出しています。ネット上では3000円と少しで買える価格も非常に魅力的ですね。

本格的な金ペンの書き味とともにしっかりと万年筆の魅力を知りたい人

初めから本格的な万年筆を購入した方がより正しく万年筆の魅力を知ることができます。もちろんいきなりこんなにお金をだせないと思う人も多いと思いますがより正しく万年筆の魅力を知りたいのならこの辺りの価格帯の万年筆を購入することをおすすめします。

じっさいに僕の場合もずっと一本を使い続けるつもりでこの価格帯の万年筆を購入したのですがすっかりと万年筆の魅力にやられてしまい万年筆をあつめることになってしまいました。

定価は一万円以上しますがネット価格だと一万円以下で購入することができますしどれも素晴らしい万年筆です。初めての万年筆としては高価かもしれませんがその分他のもっと高い万年筆を使うようになっても使い続けることができるクオリティがあるのでせっかく買った万年筆を無駄にしたくない人にもおすすめです。

・パイロット カスタム74

個人的にかなりおすすめな一本です。この万年筆はもっと高い万年筆を使っている人でも購入したくなる魅力があります。

選べるペン先が多いのも特徴ですが初めに述べたように初めての万年筆であれば中細字等がおすすめです。自分の筆圧がとても弱い自覚がある人や筆圧測定をしたことがある人であればソフト中字のペン先もおすすめですが柔らかい分強い筆圧に弱いので心配であれば選ばない方がいいでしょう。

ソフト中字のペン先しかもっていないのですが大きさなどの参考にはなると思うので興味のある人は以下も参考にしてみてください。

・セーラー万年筆 プロフィットスタンダード

セーラー万年筆のプロフィットの少し小さいバージョンです。少し小ぶりなので手の小さな人やコンパクトな万年筆が欲しい人にもおすすめです。

このペン先は14金ですがほんの少しの上乗せでペン先が21金のプロフィットスタンダード21も購入することができるのでせっかくならそちらを購入するのもありですよ。21金のペン先の商品を販売しているメーカーそのものがほぼない中でこの価格で21金のペン先が手に入るのはとてもお徳であると思います。

プロフィットスタンダード21の方のレビューですが大きさ等は参考になると思うので以下も参考にしてみてください。

・プラチナ万年筆 #3776センチュリー

こちらもとてもおすすめできる万年筆です。プラチナは数万円の万年筆のラインナップが無い分他上記二つの万年筆よりも太さも長さもあります。

太い万年筆はとても書きやすいので手のおおきい男性であればこの価格帯の中では一番おすすめかもしれません。またペン先もかなり大きくしっかりとした作りになっているので本当におすすめです。

またインターネット価格もとても安くなっており6000円以下で購入できることもありコストパフォーマンスも非常に優れています。手の大きな人には一押しの万年筆です。

お金は出すからとにかく書き味のいい初心者向けの万年筆が欲しいという人

初めの一本でペン先が合わないことだけが不安で安さは関係がないという人であれば「パイロットカスタム743ウェーバリー」が非常におすすめ。

大量のインクをプッシュ式で簡単に吸入できるコンバーターCon-70が使用可能(付属しています)で見た目のデザインも申し分なく太さ長さともに高級万年筆としての風格があります。

このウェーバリーという特殊ペン先ですがペン先が反った作りになっており寝かせて書いてもたたせて書いてもほとんど同じように書ける優れものです。また反っているため柔らかでふわふわした書き味でありながらペン先自体の硬さはそこそこなので筆圧が少し強くても大丈夫でもあります。

二万円以上のモデルでしか選べないペン先なのでカスタム74では選べないペン先ですが初心者にとって非常に使いやすい万年筆といえます。

ただ一つ欠点がるとすれば文字の太さがM(中字)程度なので細めの万年筆が欲しい人の需要にはマッチしないことぐらいです。初めての万年筆で初心者でも使えながらずっと使える万年筆を探している人にはぴったりの万年筆です。

個人的には743がおすすめですが節約したいのであれば742でももちろん大丈夫です。大きさが少し小ぶりになるので手のちいさい人であれば742の方がいいかもしれません。

・カスタム743 ウェーバリー

・カスタム742 ウェーバリー

まとめ

以上初心者におすすめできる万年筆でした。

初めに紹介したフォルカンなどは素晴らしいペン先であることは間違いないのですが使用シーンを選ぶ万年筆でもあるのである程度万年筆にも慣れて本数が増えてから購入しても遅くはありません。

万年筆は紙の上をすべるようにかけるので長時間使っていても手が疲れませんしその独特な書き味は一度魅了されたら逃れられない魅力を持っています。

使いにくい万年筆や使いこなせない万年筆を購入してしまい万年筆の魅力を知らないまま嫌いになってしまうのは本当にもったいないのでスタンダードな万年筆でとりあえず魅力を知ることから始めてみてください。

スポンサーリンク